医療脱毛について調べていると、「蓄熱式」と「熱破壊式」という2つの言葉をよく目にするかと思います。
実は蓄熱式なのか熱破壊式なのかによって効果や特徴が異なるのをご存知でしょうか。自分に向いている医療脱毛を行うためにも、この2つの違いについてはしっかりと知っておくべきです。
今回は、蓄熱式と熱破壊式の効果やそれぞれのメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
レーザー脱毛には「蓄熱式」と「熱破壊式」の2種類がある
レーザー脱毛はどこで受けても同じだと思っていませんか?
医療脱毛で扱っている脱毛器には蓄熱式と熱破壊式との2種類があり、どちらを使用するかで効果や痛みの強さ、脱毛が完了するまでの時間などが変わってきます。
蓄熱式とは
蓄熱式とは、バルジ領域のみを破壊する照射方法のことです。ムダ毛のうち皮膚に埋まっている部分を毛根といい、根元には毛乳頭や毛母細胞、中間あたりにバルジ領域があります。
熱破壊式と比べると出力が弱いため、痛みを感じにくいことが特徴です。
通常のムダ毛はもちろん、産毛の脱毛にも向いています。日焼け肌や色黒肌の方でも脱毛できるため、お肌の色で脱毛を諦めていた方にも人気です。連続照射ができるので、施術にかかる時間も少なく済みます。
熱破壊式とは
熱破壊式とは、バルジ領域よりもさらに根元のほうにある毛乳頭や毛母細胞を破壊する照射方法のことです。高出力のレーザーを照射するため、より高い効果が期待できます。
ただし、出力が高い分、痛みも出やすいことがデメリットです。1発ずつ照射していくので、施術時間も長めにかかってしまいます。
ただし、短期間で脱毛効果を実感しやすいのは大きなメリットです。ヒゲやVIO、ワキなど太くて濃いムダ毛にも効果があります。
蓄熱式と熱破壊式の違いまとめ
蓄熱式 | 熱破壊式 | |
照射のターゲット | バルジ領域 | 毛根、毛乳頭 |
痛みの強さ | 弱い | 強い |
脱毛効果 | 熱破壊式より劣る | 高い |
産毛への効果 | 高い | 蓄熱式より劣る |
色黒肌・日焼け肌への対応 | OK | NG |
お肌への優しさ | 優しい | 蓄熱式より劣る |
照射スピード | 速い | 遅い |
蓄熱式で脱毛するメリット・デメリット
では、改めて蓄熱式のメリットやデメリットについて見ていきましょう。
蓄熱式のメリット
- 痛みが少ない
- 産毛にも効果がある
- 色黒肌や日焼け肌の方でも脱毛しやすい
- お肌への負担が少ない
医療脱毛といえば痛みが強いイメージがあるかもしれませんが、蓄熱式は痛みがかなり抑えられています。痛みがほとんどないので施術にウトウトと眠そうにし出す方もいるほどです。
ただし、毛量が多い部分は若干の痛みを伴う場合があります。
バルジ領域といって発毛の司令塔の役割を果たす部分をターゲットとしているため、産毛の脱毛にも効果的です。お肌の色に関係なく施術を受けることもできます。
お肌への負担が少ないため、敏感肌やアトピー肌の方でも刺激を感じにくいでしょう。熱破壊式と比べて、硬毛化のリスクが低いことも特徴です。
蓄熱式のデメリット
- 効果が表れるまでに時間がかかる
- ヒゲやVIO、ワキなど毛が濃い部分への効果は熱破壊式よりも劣る
- 永久脱毛ができるかがまだわかっていない
蓄熱式の場合は、照射してからムダ毛が抜け始めるまでに2~3週間ほどかかります。脱毛直後に目に見える変化がないため、人によっては「効果がないのでは?」と感じてしまうかもしれません。
また、毛質が濃い部分への脱毛効果は熱破壊式と比べて劣ります。
蓄熱式がターゲットとしているバルジ領域が発見されたのは2000年頃と比較的まだ最近のことのため、永久脱毛ができるかどうかも今のところ明確にはわかっていません。
ただし、基本的には永久脱毛ができると認識してもらってOKです。
熱破壊式で脱毛するメリット・デメリット
「効果を重視するなら熱破壊式」といわれるほど、熱破壊式の脱毛は優れた効果を発揮します。
しかし、デメリットもあるのですべての方におすすめできるわけではありません。
熱破壊式のメリット
- 脱毛効果が高い
- 効果が短期間で実感できる
- ヒゲやVIOなど濃いムダ毛にも効果がある
熱破壊式の脱毛は高出力で照射していくため、蓄熱式よりも高い効果が期待できます。照射してから約1~2週間でムダ毛が抜けてくるため、短期間で効果を実感しやすいことも特徴です。
早い方では施術した当日からポロポロと抜け落ちてくることもあります。頑固な剛毛にもしっかりアタックしてくれるので、毛量が多い方でも効果を実感しやすいでしょう。
熱破壊式のデメリット
- 産毛への効果が劣る
- お肌の色が黒い方には施術できない
- 痛みが強い
熱破壊式は剛毛には強いものの、産毛にはあまり効かないというデメリットがあります。顔やうなじ、背中など細い毛が気になる方にはあまり向かないかもしれません。
また、色黒の方や日焼けしている方には施術できないことがほとんどです。高出力で照射していくため、痛みも強い傾向にあります。部位によっては施術中に飛び起きるほど痛みを強く感じることもあるでしょう。
蓄熱式と熱破壊式はどちらがおすすめ?
蓄熱式と熱破壊式には、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらのほうが優れている、こちらは劣っていると一概にいうことはできません。
そのため、自分が脱毛したいと思っている部位やお肌の状態に合わせて選ぶことが大切です。
蓄熱式の脱毛が向いている方
- 顔やうなじなど産毛の脱毛をしたい方
- 痛みが苦手な方
- お肌の色が濃い方
- 硬毛化のリスクを最小限にしたい方
- 一度にかかる施術の時間を短く済ませたい方
蓄熱式は産毛にも効果があり、色黒や日焼け肌の方でも使えます。いろいろなタイプの方に施術できるため、かなり万能だといえるでしょう。しかも、施術中に寝てしまう方がいるほど痛みはほとんどありません。
硬毛化のリスクも少ないので、脱毛でかえってムダ毛が濃くならないか心配な方にも向いています。連射できるため、施術がスピーディーに終わるのもポイントです。
1回の脱毛にあまり時間をかけられない忙しい方でも脱毛を続けやすいでしょう。
熱破壊式の脱毛が向いている方
- ヒゲやVIO、ワキなど太い毛を脱毛したい方
- ムダ毛をとことんなくしたい方
- できるだけ早く脱毛効果を実感したい方
熱破壊式は高出力で照射していくため、剛毛でしつこいムダ毛にもしっかりと効果を発揮してくれます。そのためヒゲに悩む男性や、VIOやワキなど比較的濃いムダ毛の脱毛をしたい方におすすめです。
照射してからムダ毛が抜け落ちるまでの期間が短いので、わかりやすく効果を実感できるでしょう。
自分にぴったりのクリニックを見つける方法
「産毛も気になるけど、VIOもしっかり脱毛したい」など、ムダ毛に関する悩みは人それぞれでしょう。蓄熱式と熱破壊式のどちらを扱っているクリニックを選べばよいのか迷っている方も多いはずです。
そのような場合は、蓄熱式と熱破壊式の両方を扱っているクリニックを選ぶのがおすすめ。ムダ毛の状態や毛質に合わせて使い分けてくれるので、効果的な施術を受けられます。
ただし、基本的に脱毛を受ける側が蓄熱式か熱破壊式かを選択することはできません。脱毛のプロである医師が判断して脱毛器を使い分けることが一般的です。
蓄熱式と熱破壊式の脱毛に関するQ&A
蓄熱式と熱破壊式の違いについてはわかっていただけたでしょうか?
最後にそれぞれの脱毛法に関する質問にお答えします。
Q:蓄熱式と熱破壊式はどちらが効果的?
剛毛には熱破壊式、産毛には蓄熱式のほうが効果が出やすくなります。
Q:蓄熱式と熱破壊式とで必要な回数に違いはありますか?
どちらを選んでも、施術回数に差はありません。
蓄熱式も熱破壊式も約5~8回施術を受けることで脱毛が完了します。
Q:蓄熱式なら痛みはまったくありませんか?
人によってはほとんど痛みを感じません。
ただし、VIOなど毛が濃い部分は蓄熱式でも痛みを感じることがあります。
Q:レーザー脱毛器にはどのような種類がありますか?
レーザー脱毛器には、おもに次の3種類があります。
- アレキサンドライトレーザー(熱破壊式)
- ダイオードレーザー(熱破壊式・蓄熱式)
- ヤグレーザー(熱破壊式)
クリニックによって扱っている脱毛器の種類が異なるので、事前にホームページで調べておくと安心でしょう。
まとめ
〈蓄熱式の特徴〉
- 痛みが弱い
- 産毛にも効果が出やすい
- 色黒肌や日焼け肌でも施術してもらえる
〈熱破壊式の特徴〉
- 効果が高い
- 短期間で効果を実感しやすい
- 痛みは強いけど剛毛にも効果が出やすい
同じレーザー脱毛でも、蓄熱式と熱破壊式とではそれぞれ違いがあります。クリニックによって扱っている脱毛器が異なるため、できれば両方を取り扱っているところを選ぶと安心でしょう。
蓄熱式と熱破壊式のどちらを選んでも必要な回数は変わらないといわれていますが、自分の悩みにぴったりあった施術を受けることで効果に多少の差は出てきます。
自分に合った脱毛を受けるためにも、蓄熱式と熱破壊式の違いについてしっかり理解しておきましょう。